私の『調停離婚』について書きます 


私が感じた、調停を有利にする4つのポイント

 

調停員も人間である、という事を理解する。調停員の心証を良くする。

✔終始一貫とした話し方をする、ブレない

✔決して感情的にならない

✔きちんとした話し方、身なりをする

 

調停離婚するには、いかに調停員を味方につけていくか、という事が大事であるかという事が非常に大事です。

その方が有利に話を進めていくことができます

 

 反対に、調停員に変な印象を持たれてしまえば、その逆も然りということです。そのために自分はきちんとした人間であると調停員に思ってもらえることが、有利に進める第一歩です。

 


私は、当初、調停離婚をしたくなかったので、代理人である弁護士を見つけ、私の代わりに彼と話をしてもらい
最後に公正証書にして離婚を成立させたかったのですが、彼は、私が弁護士に依頼したことが非常に気に入らなかったようで、弁護士に対して、激高したり、泣いたり、まったく法的に合理性の無いことを言ったりしてまともな話ができなかったため、調停離婚をすることになりました。

 

調停にかかる手続きは、一切弁護士がやってくれました。

私は調停離婚するまでに数回会って、陳述書を書くにあたって今までの夫婦関係の経緯、またどういう風に話を持っていくのか、おとしどころをどこにするか、など綿密な打ち合わせをしました。

 

調停が行われる場所についてですが、申立書を提出する、『相手方の住所地を管轄する家庭裁判所』となります。

つまり相手方近くの家庭裁判所となります。ですが、私はすでに実家に住んいましたので、彼の住んでいる住所は非常に遠い所となっておりました。

 

月一回程度とはいえ、行くのに何時間もかかるのは大変ですし、交通費もかかります。また弁護士の交通費も最終的には私のところに請求がくるので、それもバカになりません。従って『合意管轄』という制度を使って、両者ともに通いやすい霞が関の家庭裁判所にしてもらうことにしました。この制度を使うには管轄合意書という書類に必要事項を書くことになります。(相手方が合意管轄という制度を使う事に同意することが必要です)

 

 

調停第1回目

第1回目の日程の連絡は弁護士より来ました。

 

10:00開始でしたが、弁護士と少し早めに待ち合わせて、調停内容について最終確認しようという事になっていました。という事で9:30に申立人待合室で待ち合わせしました。申立人と相手方は待合室が違うので、顔を合わせることはありません。洋服については特に指定はありませんが、きちんとした身なりで行くほうがよいと思います。

 

霞が関の待合室は、昔の病院の待合室にあるような長い椅子が部屋に沢山ならんでいて、そこに結構沢山の人が座っていました。もちろん、離婚だけでみなさんいらしている訳ではありませんが、だいたい弁護士と話している内容や見ている資料などから、この人は離婚の件で来ているのだな、この人は○○の件だな、というのがわかりました。

 

私の印象では、離婚の件で来ている方は、かなりの確率で弁護士の人も来ていました。話している内容が、養育費が・・・とか面会請求権が・・・・とかなのですぐにわかります。赤ちゃん連れのお母さんもいました。

 

10時になると、調停員がどんどん来て、○○さん~と次々呼ばれます。私も弁護士と打ち合わせをしながら待っていると、60代くらいの男性に名前を呼ばれました。その男性がおっしゃるには、第一回目は相手方とも交えてこれから調停が始まりますというような顔合わせを一般的には行うのですが、どうしますか?とのことでした。

 

私は、どうしても彼に会いたくなかったので、『申し訳ありませんがそれは勘弁していただけますか』、とお伝えしたところ、『わかりました、彼に伝えてきます』とのことで、そのまま私と弁護士は調停室に入りました。

 

調停員は先ほどの男性ともう一人は、60代くらいの女性でした。陳述書に基いて今までの事実関係や、私がこういう条件で離婚したいという事を4名で確認しました。そして、では次に彼の話を聞きますので、待合室でお待ちください。と言われました。

 

だいたい一方にかける時間は20~30分だと思います。双方とも、その間は、ただ待合室で待つことになります。

 

30分後にまた男性の調停員さんに呼ばれ、調停室に入ってくださいと言われました。

 

調停員が、『彼の話を聞きましたが、彼は離婚はしたくないと言っています。』とおっしゃいました。私は予想はしていましたが、そこからか~・・・と、この先長くなるなぁと気持ちが沈んだのを覚えています。

 

結局、何だのかんだのと話は中途半端なまま、12時近くになり、調停員がもう時間なので、次回の日時を決めましょう。ということになりました。候補日を何日か挙げられ、可能な日を複数日選択しました。では、彼に聞いてくるのでちょっと待っていてくださいということで、そのまま調停室で待っていました。すると彼はこの日がいいようなので、この日で決めてよろしいですか、という事で次回の日程が決まりました。調停員が『今日はこのままお帰りください』とのことだったので、弁護士と退室しました。

 

弁護士と次回の調停日前にもう一度打ち合わせをしようと言われ、弁護士との打ち合わせの日も決めて、その日は終わりました。緊張と、気疲れ、慣れない初めての空気でどっと疲れました。

 

調停離婚2回目

2回目もこちら側からスタートしました。私は、弁護士と調停室に入りました。調停員は調停が終わるまでずっと同じお二人が担当してくれます。

 

離婚をしない、と言っていた彼でしたが、一か月の間に考えが変わったようで、養育費の話に入ることができました。彼は年収がとても高かったので、こちらが提示した金額(養育費算定表に基づく、選択範囲の中の一番高い所)が高額な事に何だか納得がいかないようで、とても反発していたとのことでした。

 

調停離婚に臨んで感じたことは、調停員も人間であるということです。つまり中立な立場の人ではありますが、人間なので当然味方につけることができるという事です。

 

陳述書には彼のDVの事についても書かれてあったので、中立な立場とはいへ、彼に対する印象はあまりよくなかったでしょうし、彼は養育費算定表に基づいた金額であるにもかかわらず、そんなに払う必要がないとずっと主張し、しまいにはその根拠(それだけのお金がかかる根拠)を示す資料を出せ、といったような事も言いだしたようで、調停員もあきれた様子でした。私の弁護士に、『先生、彼はこんなことを言っていますが、こんなことを言ってきた人は私の経験の中でも彼だけです、』といった風なことをおっしゃって、かなり困惑していました。

 

調停員というのは、あくまでも中立な立場で、話をまとめるのが仕事、というのが私にとってはとてももどかしく感じられました。養育費表というのはそもそもそういった年収ベースで子供にかけられる生活費を詳細に調べた結果、出されている金額なので、わざわざ彼の求める『根拠』など必要がないことは調停員も承知しているのに、はっきりそれを彼に告げることはしてくれませんでした。

 

彼はこう言っています。それに対して、私たちが意見したことを今度は彼に伝えておきます、

といったように、伝言ゲームのような感じでした。

 

誰かここにはっきり白黒つけてくれる、裁いてくれる人がいてくれればどんなに話が早く進むだろうかと

感じました。

 

本来、養育費というのは算定表に基づいて決められていきます。収入が高い人ほど、養育費も上がっていきます。

それは、離婚していなかったとしたら子供はこういうレベルの生活の質であっただろうという事を保証するためだと思います。

 

そのために養育費算定用というものがあり、それをもとに養育費を決めていくのが通常なのですが、彼は客観的に自分の払う養育費が高額ということで、そんなに必要ないだろ、という主張から離れないのでした。

 

弁護士は、そんなもの(お金がかかる根拠)を私が作る必要はないし、そもそもどんな習い事をするかもわからない、どんな学校に行くのかもわからない、そんな未確定な状態で作った表など意味をなさない、と言っていたのですが、どうしても彼が納得しないのでした。

 

結局第二回目は、彼がどうしても納得しないので、子供が二十歳になるまでにどのくらいのお金がかかるのかという根拠がわかる表を、私が次回までに作るというところで終わりました。次回はまた1か月後となりました。

 

調停離婚3回目

 私が大変苦労して作った子供が20歳になるまでにかかる費用の表も彼は全く納得しないようでした。この費用がこんなにかかる訳がない、とかそんなことばかり言っていたようです。

 

どんな表をどんなに精度高く作ったとしても、きっと彼は文句をつけてくるに違いないとその時感じました。

 

結局自分の子でも払いたくないのか、と私は非常に不思議に思いました。彼の年収を考えれば、その養育費を払うことはそんなに難しいことではないのですが。

 

おそらく、私がそのお金を使ってしまうとでも考えたのでしょうか。

 

とにかく、私が何を言っても、どんな根拠を示そうが、全然納得しない、という感じでした。

 

そんな不毛なやりとりをしているうちに、第三回は時間が来てしまい、次回四回目に持ち越しとなりました。

 

調停が終わった後、弁護士と話をしました。

 

すると弁護士がもうこれ以上やっていても仕方がないから、もう調停を不成立にして、裁判にしたらどうか、と私に提案してきました。裁判で離婚すればよいと。裁判にして、慰謝料から何から正当な額全部請求すればいいと。

 

私はそもそも調停さへもやりたくなかったので、裁判なんて絶対やりたくなかったので、え~!?私が?裁判?と思いました。

 

私は非常に困惑しましたが、確かにこれ以上続けていても進展がないようならば仕方がないと思いました。次回この話を彼に突き付けて彼の反応を見ようという事でこの日は弁護士と別れました。

 

調停離婚4回目 離婚成立。

私たちが調停室に入ると、調停員の女性の方がまずおっしゃいました。

 

『結局彼は離婚したくないのよね~。だから何だのかんだのって言ってくるんじゃないかしら。』と。

 

確かにそうかもしれないと私も思いましたが、もう話が進まないのも困るので、弁護士がもう調停を不成立にして、裁判にしようと考えているということを調停員に伝えました。

 

私は、こういうときに、やはり弁護士がいると非常に心強いと思いました。もめ出すと、話の落としどころや、話の持って行き方がわからなくなりますが、冷静に話を聞いていてくれる味方が隣に常にいるのは非常に安心感がありました。

 

その話を受けて、調停員は、

『わかりました。もうこの条件で飲まないのであれば、申立人は調停を不成立にして、裁判離婚すると言っています』という事を彼に伝えます。と言いました。

そして30分ほど待合室で待っていました。

しばらくして、私たちが呼ばれました。

調停員は、もう彼はそれでいいと言っています。なのでこれで成立します。と。

 

あまりのあっけなさに、今まで苦労したのは何だったののかと思いましたが、彼は弁護士をつけていなかったので、『裁判』と聞いてたじろいだのか・・・とにかく急成立しました。

 

最終的にどういう文言で公正証書に盛り込むか、ということを調停員と具体的に再度話をしました。

例えば、面会交流については、月一回といった具体的な言葉を盛り込むか、とか、慰謝料や、財産分与といった

請求権に時効のあるものについて、離婚成立をもってお互いにもう請求しないという文言を入れるか入れないか、といったことです。

 

こういった事は、弁護士から言われない限り、よくわからない事であるので、弁護士に依頼して良かったと思った瞬間でした。

 

その後、公正証書を作るのに、裁判官の同席が必要だが、今立て込んでいるのでちょっとお待ちいただくことになりますと言われ、また待合室で待っていました。

 

いざ、調停調書作成

しばらく待っていると、調停員が呼びに来てくれました。相手方が先に部屋に入っています。あなたは隣同士ではいやでしょうから、先生(弁護士のこと)が先に入って奥の席(相手方の隣の席)に座ってください。と言われました。

 

部屋に入ると、左側に裁判所書記官、裁判官、調停員、右側に相手方が座っていました。

 

あの、ものものしい雰囲気は今でも忘れられません。裁判官は私とあまり変わらないのではないか、という位の歳の女性でした。

 

裁判官が、調停条項について一つずつ読みあげました。 

 

最後にこれで間違いないか、という事を双方で確認し、終了となりました。

 

家庭裁判所のビルから出た時に、弁護士に今日からあなたは、フリーよ。

あなたの新しい人生を楽しんでと言われました。

 

帰りの電車の中で、これからの責任と、不安と、緊張から解放された安堵感からか、涙が出てきました。

 

友人にメールをしましたら、”おめでとう、今までよく頑張ったね、お疲れさま”という返信がきました。

 

”おめでとう”という言葉は、正直あの時の私にはうれしかったです。今まで本当に辛すぎて、大変だったけれど
私はやっと新たな人生のスタート地点に立てたのだ、という思いを新たにできました。