お子様のいらっしゃる方へ


お子様がもしいらっしゃるのであれば、より一層離婚を悩まれると思います。私もそうでした。

 

『私さへ我慢すれば』

 

お母さんなら、みんなそう思うと思います。自分さへ我慢すれば。子供のために。

私も呪文のようにその言葉を繰り返していました。

 

私は離婚後の生活の大変さをよく知っているので、簡単に離婚は進めることはできません。

 

私の友人が離婚したいと相談してきたとしても、本当にもう修復できないの?と必ず聞きます。

修復の限りを尽くして、それでも無理であるならば仕方がないけれど、やはり離婚は安易にするべきでは

ないと今でも思います。

 

一人でお父さんとお母さんの役割を演じることはとても大変です。

 

やはり子供に対する影響は計り知れないと思います。私自身は親が離婚するという経験をしていないので、子供の気持ちを推し量ることはできませんが、やはりとても不安定だと感じる時も正直あります。

 

さらに、小学校では授業参観とか、運動会とか、両親がそろう場面が多い中で、我が子には私だけしかいないという状況がどのように映っているのだろうかと考える時もあります。

 

また、保育園の先生から、○○ちゃんは(次男の名前)今日こんな事をお友達にしました、などという報告を受けると、やっぱり私が離婚して、一人親だから次男はこうなってしまったのだろうか・・・と思いながら、涙を流しながら、会社に向かうという事もありました。

 

また、離婚直後に、次男は保育園でひな祭り用に、おひなさまとおだいりさまの絵を描いたのですが、

他の子はみんなパパとママだね、と言っていたのに対し、次男はジジとママだよ。と言っていました。
それを聞いて、なんて次男に申し訳ないことをしてしまったのかと、離婚した事に対して本当に罪悪感を

覚えました。

 

と、、、暗い話になってしまいましたが、、、、(こういうエピソードはいくらでもあります・・・)

 

私がDV加害者更生プログラムに初めて面接に行ったときに、ファシリエーターの方に、開口一番『私は子供たちのために離婚をしたくありません、絶対に』と言いました。

 

すると、彼女は、『お母さんに暴力をふるうようなお父さんは果たして本当に必要なのだろうか』と言いました。

『子供たちにしてみたら、お父さんは、自分の大好きなお母さんに暴力をふるっているのよ。そんな姿を平気で見せる父親は本当に必要かしら』と言いました。

 

私は返す言葉がありませんでした。

 

さらに、『あなたは離婚は人生の失敗だと強く思っているようだけれど本当にそうなのかしら?』とも問われました。

 

あの面接の日は、涙がボロボロこぼれてきて、顔も心もぐちゃぐちゃでした。

 

どうしようもなくなっている私に、最後に彼女は『あなたより沢山もっと大変な思いをしているDV被害者も沢山見てきたけれど、みんな離婚して笑顔になって頑張っているから、あなたもきっと大丈夫』と言ってくださいました。

 

お母さんはすごいのよ、強いの。お母さんが笑って元気にしていれば、子供たちは大丈夫。みんな元気になっていく

 

と声をかけてくださいました。この言葉は、今までの私の支えとなっています。本当にその通りだと思います。

 

だから、みなさんにもこの言葉を伝えさせていただきました。

 

お母さんが太陽のように笑っていれば、きっと大丈夫。

 

結婚生活を持続していたとしても、お母さんが、我慢をして不幸な顔をしていれば、子供たちはとても不幸になります。

 

離婚はしないに越したことはないですが、自分のために、また子供たちのためにも離婚ということがベストな選択である場合もあります。

 

どうぞ、ご自身を大切にしてください。それが子供たちの幸せにつながります。

 

養育費について


もしあなたに正社員の職があり、安定した財力があるのであれば話は別ですが、そうでないのであればきちんとパートナーと養育費について取り決めをする必要があります。決して、今もう話をしたくない、顔も見たくないという理由で子供の権利をあなた自身の手で放棄しないでください。

 

そう、養育費は子供の権利なのです。

 

養育費は『生活保持義務』と言われています。つまり非監護親が暮らしている水準と同様の生活水準を保っていけるようにという意味合いです。

 

早急に離婚したいから、という理由で養育費の取り決めをせずに離婚するということだけはやめてください。

 

先に、正社員の職があり、、、と書かせていただきましたが、その会社に一生定年まで働ける保証はありますか?またあなた自身が定年までずっと健康で働き続けられる保証はありますか?

 

ですから、今子供を養っていける状態である方であっても養育費はきちんと取り決めをして支払ってもらう方が良いに決まっています。

 

例えば 子供が5歳で、3万/月を20際まで養育費があるとしたら・・・

計算するとおおよそ、36万/年×15年=540万となります。これだけあれば大学進学の目途がたちます。

 

あの時、養育費を決めてさへいれば・・・

習い事に通わせてあげられた、私立に進学させられた、やりたいことを学ばせてあげられた・・・

そんなことにならないように。

 

もう一度言います。養育費は子供の権利です。今あなたが頑張ることは将来の子供の幸せにつながります。

 

 

面会交渉権について


子供を引き取らなかった親も離婚後に子供と会う権利があります。

これを面会交渉権といいます。

 

まずは、

 

  • 子供は会いたいと思っているのか
  • あなたは会わせることにどう思っているのか
と、正直な気持ちを考えてみましょう。
私の場合ですが、子供たちが父親に会う事はあまり良い気持ちのするものではありませんでした。
子供たちが会うとなれば、日時を決めたりそれなりにコンタクトを取らなくてはならないからです。また子供を通して先方の知りたくない情報が耳に入ったり、こちらとしてあまり知られたくないような事を子供が話してしまうという事もあります。縁を切った人間とある意味でつながり続けるという事になります。
ですが、子供たちが父親に会いたがっている以上、親の感情で子供が親に会う権利を奪うことになるので、私は子供を父親に会わせています。(*DVがある場合は、安全が保たれる事が大前提です。子供に悪影響を及ぼすような場合には交渉権の制限を考えたほうがよいでしょう。)
私の調停調書には、『子の福祉に鑑みて適宜面接する交渉権を有する』と記載されています。
子の福祉に鑑みて という一文が入っていますので、離婚時に面接交渉を決めたとしも、面会することで子供が情緒不安定になったり、子供自身が会いたくないと言いだすなど、子供のためによくないと思われる場合には面接を一時停止することも考えています。
その他、次のようなポイントを押さえておくとよいと思います。もめそうな場合は調停の場で詳しく決めておきましょう。
  • 月に何回、何時間、何日
  • 日時をどのように決めるか
  • どこで会うのか
  • 宿泊は認めるか
  • 学校行事などの参加をどうするか
  • 電話を認めるか
などです。
ちなみに、面会を続けているほど養育費がきちんと支払われているというデータもあります。
やはり子供に実際会うという事で養育費を支払おうという気持ちになりやすいという事はあると思います。

 

子供たちへの接し方


離婚後子供たちは、不安定になるものです。

 

長男の場合は、父親のDVを目の当たりにしていたので、父親が原因で家族がバラバラになったのだという事はある程度理解していたと思います。

 

しかし、そうであったとして、やはり大好きであった『家族』が離れ離れになったという喪失感や、不安感は当然持ち、私への怒りという形でぶつけられたことも当然あります。

 

それは当然私が受け入れなければならないものだと思っていましたので、私も毎日ギリギリの精神状態でありましたが、子供の気持ちを受け止めるように、話を聞いたり、できるだけ一緒に遊んだりしました。

 

私は、結婚したら幸せになれるものだと思って、結婚に理想を描いていました。

結果、こんなことになってしまい、子供たちには申し訳ない思いでいっぱいです。ですが、誰もがこんな結果になることを望んでいたわけではありません。努力して努力してそれでもダメだったのです。

 

人生にはそういうことが時として起こります。人生には浮き沈みがあるのです。

 

もう卑屈に考えるのはやめましょう。子供に申し訳ないと思うのはやめましょう。

この決断は正しかったのだと、胸をはって生きましょう。

 

後悔しているとそういう姿勢は子供に伝わります。

 

それよりも『あなたって私の子供に生まれてきて本当にラッキーね』位に思って、堂々としたお母さんで

いてほしいと思います。

 

そうすれば子供たちもいつか、必ずあなたの決断を理解してくれる時がくると思います。

 


最後に、サッカー選手、長友佑都さんのお母様が書かれた本『心は強くなる』の中で、佑都さんがお母様にあてた手紙があるのでご紹介したいと思います。

 

(私が離婚した当時、何度も何度も読み返しては泣いた本です。自らの人生を切り開いていけるタフな人間へ育てるための長友りえさんの子育て方針は参考になります。シングルマザーとしての強さと覚悟が感じられる本です。)

 

母さんへ

 

今回母さんへ手紙を書くということで、少し照れくさいですが、僕の素直な気持ちを書きます。

 

まず、伝えたいことは、僕を生んでくれてありがとう。母さんの元に生まれてきた僕は世界一の幸せ者です。

幼いころは反抗して、迷惑ばかりかけたけど、母さんが一生懸命働き、僕たちを育ててくれた姿は、僕の心の中に、しっかりと残っています。

 

その姿は僕の宝物であり、これから僕が目指すべき姿です。

 

そして僕自身人間として成長し、人のためになれるように努力していきます。言葉では表しきれないほどの感謝の気持ちを込めて。

 

以上、『心は強くなる』文中、母への手紙より抜粋